
アステルリーズ近海の「厄水」海域では海難が頻発する。船を呑み込む巨大な渦潮が、この地で海底まで貫いている。
不気味な水域は漁民たちの語る恐怖の伝説となり、商船が海に沈んだ「アンドラ号事件」が奇妙な海底洞窟を明るみに出した。
「アンドラ号」を救ったドルニック船長は、岩山の底からアステリア平原へ直通する隠された小道を、思いがけず発見した。
ここに秘められたものは、冒険者の探索を待っているようだ。
100メートルの海の帳の下、沈没船が積み重なって成す「サンゴ礁」が奇観を作り上げる。
スカイフィッシュと巨大なチューブワームが深海を行き交い、光るサンゴと藻類が海底の穹窿を織りなす。
冒険者が実証によって嘘を打ち砕いたとき、かつて死の禁域とされたこの洞窟は、ついに世に開かれた。
学者は混合生態の逆説に魅せられ、商人は変異生物の価値をうかがう。渦潮の上では今も、漁民が荒れ狂う厄水に向かってつぶやくように祈っている。
伝説も真実も、深淵のなかで長く共鳴し続ける。